○山行地 北ア・白馬五竜スキー場~五竜岳遠見尾根
○山行日 2016年4月10日
○メンバーL松木(昭) 中村 古川
○報告者 古川
3時に集合し一路白馬村へ向かう。白馬五竜スキー場のエスカルプラザ駐車場に着くと県外ナンバーがちらほら停まっている。軽く朝食をとるうちに辺りが白々としてきた。支度をして5時30分頃雪のないゲレンデを登りはじめる。たっぷり2時間登り続けてようやくリフトトップにたどり着く。ここまで、カモシカにじっと見られたりゴロゴロゴロと威嚇音のような声(熊?)を北側の林から聞きながら、行けども行けども終わらない急斜面の連続で充分疲れてしまった。しかしここはまだスキー場、ここで音をあげたらどこに何をしに行ったのか訳が分からない。時折強い風が谷から吹き付け合羽を着ないと寒くていられないが、徐々に天気も安定してきたようだ。こまめにウエアを脱ぎ着して体温調節に気をつける。
お寺のような建物が眼下のゲレンデ脇に見え、地図で確認すると法政大学スキー小屋とのこと。数人が小屋から出てこちらを見あげていた。スキー場エリア外に出てブナ林を登ると、ケルンのある「地蔵の頭」の三角小山のような輪郭が確認できた。
やっと尾根歩きだ。途中からアイゼンを付けたが、水分の多い春の重たい雪は沈みこみとても歩きづらかった。足の速い二人はどんどん先を歩き、私と差がつくと追いつくまで止まって待っている。私は鉛のように重い足を一歩ずつ前に出す。その繰り返しで延々と歩くが、疲労の残る足にはかなりこたえ、気づくと顔が下を向いている。まるで牛歩戦術のように稜線のアップダウンを繰り返し、小遠見山、中遠見山とやってきた。この間に数組のパーティー、単独者とすれ違った。テントやテント跡もあり北アルプスのメジャーな山域に居ることを実感した。
お昼近くになり、西遠見山の手前で昼食をとり引き返すことになった。中村さんがフライパン持参でコゴメ入り焼きうどんを作ってくれてみんなで美味しくいただいた。栃尾の油揚げのおかずも疲れが吹き飛ぶ美味しさだった。
今日の到達点から見ると白岳、五竜岳はまだ先だ。その左には白い巨大ルンゼを見せつける鹿島槍ヶ岳が存在感を放ち、右は唐松、白馬三山が雪壁を連ねている。目の前に広がる未知の世界を羨望し、12:30頃下山開始。帰りはアイゼンを脱ぎ薄くガスが出てきた長い尾根をひたすら戻った。
朝は静かだったゲレンデはスキー客で賑わっており、端をくだっているとパトロールがやってきて管理エリア内はゴンドラを使用するよう注意を受けた。雪が溶けた斜面ではまだ点検していない排水溝や網などが壊れていて落ちたりする可能性があるので危険とのこと。既にかなり下りていたため了解を得てこのまま麓まで歩かせてもらった。
15:30駐車場に着く。温泉通の中村さんの案内で車で数分の「みみずくの湯」に直行した。きれいな施設でアルカリ性のお肌つるつるピーリング系温泉だ。露天風呂からは先ほど近くで眺めてきた北アルプスの山々が霞がかっていたが一望できた。晴天ならば最高の景色が楽しめるだろう。風呂上がりに向かいの売店で買った瓶入り牛乳が、腰に手を当てて一気に飲みたくなるほど最高だった。
日頃の鍛練が足りないと感じた苦い山行だった。